いよいよ５月最後の土曜、当日の朝を迎えた。
４時台に起き、５時過ぎに千葉の自宅を出て、新幹線で８：４８に福島駅に着き、駅そばで腹ごしらえをして、９時に待ち合わせの改札を出てＯさんを探した。
Ｏさんはすぐわかった。
見るからに今日に相応しい格好をしていた。
西口ロータリーではバイクでＳさんも待っていた。
駅前でまず記念写真を撮り第一歩を踏み出す。
最初の１ｋｍ程Ｏさんも一緒に歩いたが、そこからはバイクに乗り、私は１時間半かけてＯさんから手渡された街道の資料をちらちら見ながら庭坂駅あたりまで歩いた。
普段よりやや速いペース。
そこからまたしばらく昔ながらの街道ということでＯさんが歩きに付き合い、登り坂になったところで、“私＝歩き、Ｏさん＋Ｓさん＝バイクで道案内”の旅が本格化した。
するともう１台のバイク。
Ｏさんの同僚のＡさんが合流してきた。
景色は、梨畑、葡萄畑が広がり、だんだん山の中に入っていく。
登り坂が延々続き、流れる汗が止まらないが、３人がバイクとあり、私も歩きを止められない。
バイクに先導されるマラソンランナーになった気分。
せっせと歩き、普段ならもっと音楽聴いたり写真撮ったりのところ、速いペースで休憩もとらないまま、一気に１２時半李平宿跡へ。
３０分程昼食休憩をとってまた歩き出す。
いよいよ下りに入りだいぶ楽に。
ここでＯさん、“長靴に履き替えましょう”と切り出す。
旧米沢街道の遠回りオプショナルツアーの始まり。
私はもうだいぶ歩いたので近道の方を選びたいところ、親切で旧街道に熱心なＯさんは意気揚々。
私なんかより余程歩きに長けていると感じた。
またバイクも通れる林道に戻り、しばらく行ったところで沢が見えてきた。
川だ。
１３時半県境着。
左手上流にはダム。
橋はない。
ここで長靴が威力を発揮。
深さ２０ｃｍ程の川を難なく渡れた。
バイクも川の中を渡る。
やった。
山形県入り。
２２都府県目。
私にとっては貴重な瞬間。
思わず３人に握手を求めた。
そこから今度は山形県側の林道を登り、数ｋｍ歩きついに“板谷駅３００ｍ→”の案内板。
福島の街中以来お目にかからなかった自動販売機が目に入った。
ここまでペットボトル１本でしのいできたが、さすがに喉がカラカラで一気に２本買い、直ちに１本目のコーラを飲み干した。
板谷駅１４時半着。
福島駅から３万５千歩。
Ａさんは一足先に戻られたが、Ｏさん、Ｓさんとは、駅のホームに座って１時間弱あれこれと話をし、夜福島の街での打ち上げを確認し、２人は一足先にバイクで福島に戻った。
私が乗る福島行きの列車が来るのは３時間後。
私はスマホで野球を見たり写真を編集したりＳＮＳをして時間をつぶした。
途中米沢行き下り列車が到着。
私がホームに座っていたら、降りてきたおじさんが“そんなところに座ってどうしたの”と話しかけてきた。
今日あった出来事を話すと、"それは、それは、貴重な体験をしたね"と感心して去っていった。
しばらくすると、屋根で覆われた板谷駅がガタガタ揺れだした。
ふと見ると、屋根の隙間から猿がこちらを覗いているではないか。
残念なことに写真を撮ろうとしたら逃げられた。
そうこうしているうちに、涼しくなり日が陰り始めた１８時過ぎ、福島行き列車が西日を浴びながらやって来た。
１８時半に駅でＳさんと待ち合わせ。
１９時前に、ホルモン焼の店に到着。
Ｏさんは既にホルモン焼料理を完成させ待っていてくれていた。
ビールで乾杯。
旨い。
ホルモン焼も旨い。
その後注文した餃子も旨い。
２次会はバー。
カクテル飲みながら、私が４年前の地震の話を切り出し当時有ったことを尋ねたりしていたら、何と地震。
棚に山ほどあるウィスキーは無事で一安心。
福島発２１：２４の新幹線で帰ることにし、次また今日歩いた先を今度は通しで一緒に歩くことを一方的に約束し別れた。
地震の影響で新幹線は遅れに遅れ、動き出しても郡山で１時間以上停車し、千葉の最寄りの駅に着いたのは日が変わった１時半。
家には２時近く。
それから風呂に入って、何だかんだとしているうちに寝たのは３時半。
長い、長い、１日だったが、実に充実した１日だった。
こんな充実した１日がおくれたのも、ひとえに福島市役所の人達の連携と、お付き合い頂いたＯさんの人柄、Ｓさん、Ａさんのおかげです。
本当にありがとうございました。